今回の記事は素人でもわかる!
不動産業者の登録免許番号を知って信頼できるか知ろう
という業者の見抜き方について業者の私が書きたいと思います。
一般の方が不動産を売るという行為はそう経験することではないでしょうから、
いざという時は不動産業者を頼ることになると思います。
昔よりはだいぶクリーンなイメージになりましたが、
中にはまだ依頼者を最優先に考えない業者もいるようです。
大切な不動産を売るわけですから業者選びには細心の注意を払いたいものですね。
さて実際に不動産業者を探してみると、
大手はもちろんですが実に多くの中小零細業者が存在しています。
あなたも街を歩けば結構な数の不動産の看板を目にするはずです。
またタウンページなどを見ると、
本当に多くの地元業者がいることが分かるでしょう。
地元の中小零細企業は古くからの老舗が多いですが、
家族経営など小規模で運営する形態が多いのでこのようなかたちになります。
規模が小さいからと言って依頼者に不利になるわけではなく、
ケースバイケースで得意分野や扱う顧客層の違いがあるので、
事案によっては小回りが利く中小の方が有利になることもあります。
さてこのように非常に数の多い不動産業者ですが、
できるだけ信頼できる業者を選びたいならば、
登録免許番号を調べるというのも一つの手です。
登録免許場番号とは?
日本の国内で不動産業を営むには、
宅地建物取引業法という法律に従って事業を運営しなければなりません。
そして正規業者であるということを証明するために、
国や自治体から宅地建物取引業の免許を受けなければならないことになっています。
ですので最低でも、
正規業者であることを確認する意味でも、
この免許番号を確認することが肝要です。
もし番号を確認できない場合は、
無免許業者でもぐりですから近づかないようにしましょう。
だれでも不動産業を勝手にできるようでは、
不良業者が続出して消費者が被害を被ることが予想されます。
そのような事では業界全体が機能不全に陥ることは必至ですから、
そのための規制として国内で不動産業を営むには、
国や自治体から免許を受けなければならないのです。
国というのは正確には国土交通省のことで、
不動産や交通分野を所管する国の省庁の一つです。
自治体とは都道府県のことを指します。
実際の許可は国土交通大臣や都道府県の知事の名前でなされますが、
どちらの免許が必要になるかはその業者の営業範囲によります。
一つの都道府県にのみ営業所を設置して、
不動産業を営む場合は地元の都道府県知事の免許で済みますが、
県をまたいで複数の都道府県に営業所を構える場合は、
国土交通大臣の免許が必要になります。
例えば国土交通大臣免許であれば「国土交通大臣(1)第00000号」など、
都道府県の知事免許であれば「東京都知事(1)第00000号」
などとして免許番号が交付されます。
免許は一度取ってしまえばずっと有効ではなく、
一定期間ごとに更新しなければ失効し不動産業を続けることはできません。
この更新というシステムに着目することで、業者の信頼性を判断する一つの指標が見えてきます。
更新を繰り返している=長く営業しているかもしれない
画像の赤枠の中の数字は今まで6回免許を更新しているという証拠です。
不動産業者として真っ当に営業しているならば、
常連顧客や消費者から信頼を得ることができるはずです。
信頼を勝ち取ればさらに長く営業を続けることができ、
免許の更新を繰り返していくはずです。
従ってどれくらい更新を繰り返しているのかが分かれば、
それを信頼度を判定する一つのバロメーターとして認識することができそうですね。
免許番号の中にこの更新回数を表す数字があるので、これを見れば一目瞭然です。
例えば「国土交通大臣(1)第00000号」であれば、
「(1)」の部分が更新回数を表す箇所です。
最初に免許を取った時には「(1)」という数字が入りますので、
この数字が更新するに従って順に大きくなっていくわけです。
更新は五年が経過するごとですので、
最初に免許を取ってから6年目に一度更新すれば「(2)」という数字が入ります。
更新回数が増えるたびに営業年数も増えていることになるので、
ここに信頼性を見出すことができそうですね。
ただ、この数字は必ずしも信頼性を表す数字として常に正しいわけではありません。
同一の業者が同じ運営者として繰り返し営業し、
免許の更新を繰り返していると仮定するならば別ですが、
これにはカラクリがあって必ずしも同一の運営者が続けているわけではないこともあるのです。
また同一の業者だとしても、
事業展開の仕方によってはこの数字から、
信頼性を読み取るのが難しくなることもあるので厄介です。
ここら辺はビジネス上のカラクリになってしまうのですが、
次の項で説明しましょう。
免許番号が信頼度のバロメーターとして機能しなくなる例
宅地建物取引業の免許番号は会社の事業体に対して発行されるもので、
例えば会社の社長さんや役員に対して発行されるものではありません
(個人事業の場合は別です)。
一度免許を取得した会社が、
何らかの事情で素人の役員に変更するだけでは会社の免許番号はそのままです。
中小零細の企業ではたまにあるのですが、
親族や知り合いなどに会社の運営実態を移すということも可能ですので、
こうした場合会社の中身である経営陣の社長さんや、
役員が不動産運営についてあまり明るくないということにもなり得ます。
ただし経営陣が素人だったとしても、
不動産業者は従業員数に合わせて一定人数の宅地建物取引士(以下宅建士)
という資格者を設置しなければならないことになっています。
少し前までは宅地建物取引主任者(通称宅建主任者)の名前で通っていましたが、
近年資格の名称が変更されました。
宅建士は不動産の取引に関して消費者に損害を与えないように、
円滑な取引をするための実務者としての任務があるので、
この資格者がきちんと設置されていることを確認すれば、売却の実務上は一安心です。
とはいっても宅建士は単なる従業員ですので、
経営陣に悪徳な背信者がいる場合は、
宅建士個人の正義感などに信頼を預けることはできないこともあるでしょう。
また、会社法上のいわゆる企業再編やM&Aなどによる企業合併などで、
宅建業の免許を持っている会社が他社に合併され消滅する場合、
合併後存続する他の企業には宅建業の免許は引き継がれません。
合併後に存続する会社は改めて宅建業の免許を取る必要がありますので、
更新番号の数字は(「1」)から始まることになります。
次は免許の変更が伴う場合です。
宅建業の免許には国土交通大臣の免許と、
都道府県知事の免許の二種類があるとお話しました。
例えば東京で営業所を構え、
地元で長く運営し3回の更新を行ったとしましょう。
免許付与当初は「1」ですから3回更新すると数字は「4」になっているはずです。
事業は好調で規模の拡大を図りたいと思い、
隣の神奈川県にも営業所を出して進出しようとしました。
複数都道府県で事業を行う場合は大臣免許が必要になるのですが、
この時にはこれまでの更新番号は引き継ぐことができませんので、
「国土交通大臣(1)第00000号」となり、
更新の履歴を確認することができなくなってしまいます。
これは逆も同じです。
仮にですが東京都と神奈川で頑張り、再び3度の更新をしたとして
「国土交通大臣(4)第00000号」という数字を得たとしましょう。
事業整理によって神奈川から撤退し、
東京のみでの事業に戻すという場合は、
また都道府県知事免許に戻ります。
この時にも大臣免許を知事免許に引き継ぐことができないので、
「東京都知事(1)第00000号」と更新履歴が振り出しに戻ってしまうのです。
何十年も不動産業を営んでいても、
このように更新履歴が振り出しに戻ってしまうこともあるということです。
最後は企業体の種類変更の場合です。
不動産業は株式会社などの法人でもできますが、
個人事業としても行うことが可能です。
中小の不動産業者は小規模で経営するところも多いので、
個人事業として活動している所もあります。
個人で不動産業を行う場合、宅建業の免許はその個人に対して付与されることになります。
事業が順調に進んでいくと売り上げも多くなり、
税金対策や信用、融資の受けやすさなどを考えて法人化を検討することになるでしょう。
その場合、
個人に対して付与された免許番号は、
法人に引き継ぐことはできませんので、
個人で活動していた間の更新履歴は、法人化によって振り出しに戻ってしまいます。
このように、
免許番号の更新履歴を表す数字は一定の参考にはなりますが、
必ずしも正確な経営歴や経験年数を表すわけではない!
ということがお分かりいただけたでしょうか?
もし可能であれば、
ここら辺の事業体としての経緯を突っ込んで聞いてみても良いかもしれませんが、
社長さんと話せるならならまだしも、
いち従業員に聞いてみたとしても要領を得ないかもしれませんね。
そこで免許番号以外で、
不動産業者の信頼性を確認する方法をお教えしますので参考にしてください。
免許番号以外で業者の信頼性を確かめる手段
不動産業者は国土交通省の所管であり、
その指導を受ける立場にあります。
宅地建物取引業法や諸法令に則った事業運営を行っていない場合は、
行政指導や免許停止などの処分を受けることがあります。
この情報を掴めればその業者の信頼性を確認する一つの手段となります。
この情報は「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」
というウェブサイトで確認することができるので参考にしてみてはいかがでしょうか。
ただし、
行政指導というのは実際のところ他の事業でもそうですが、
割とよくなされるものです。
これは実は監督官庁のノルマのようなものも関係しており、
「年間〇〇件の指導実績を上げること」
などと所管庁から指示が出ることも多いのです。
加えて、
不動産業者側も確信的な悪意を持って、
消費者をだまそうというような本当の悪徳業者でなくとも、
法令の不承知などで結果的に軽微なルール違反となってしまうこともあります。
こういったものを捉えて行政指導が行われることはよくあるので、
できれば指導の中身を確認して、
その悪質度を確かめてみることも必要かもしれません。
上記のサイトには、
「何故指導を受けたのか?」
の経緯を確認することもできるので参考にできます。
一方、業務停止などの重い処分を受けるような業者は、
法令の単なる不知などではなく、
悪い意図をもってルール違反をしたことが分かります。
こういった業者の場合は取引は敬遠した方が良いかもしれませんね。
悪い業者なのか見抜く方法まとめ
さて今回は業者の信頼性を判定するための指標として、
宅地建物取引業の免許番号に焦点を当てて考えてみました。
免許番号の中には免許の更新の履歴を示す数字があり、
この数字が大きくなることで長年の経営実績を見て取れるために、
信頼度のバロメーターとして利用できそうだということでしたね。
しかし、確かに更新回数を示す数字としてある程度は参考になるものの、
実際は免許の種類の変更などでその更新履歴が振り出しに戻ってしまうことがあったり、
役員のすげ替えで経験の少ない経営陣になる可能性があるなど、
完全な指標として捉えるのは少し無理がありました。
可能であれば会社側に確認しても良いですが、
実際はなかなか難しいでしょう。
その場合は行政処分歴を確認するなどして、
信頼性判定の精度を上げるということもできますので、
上述のサイトを利用してみてください。
もしあなたが当サイトの趣旨にあるように家を売りたいけど、
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ネットで複数の業者に査定を依頼するサービスがあります。
こちらでまずは業者選びをして、
きちんとした所を今回の方法で見抜いてお任せすることにしましょう!
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